Urology
性機能障害の90%以上は、勃起障害(ED)です。EDの定義は、『満足のいく性行為に十分な勃起を達成できない、もしくは維持できないこと』となっております。日本人のED有病率は約1000万人(40歳代20%、50歳代40%、60歳代60%前後)と非常に高く、高齢者になるとさらに有病率が高くなります。加齢によるEDは動脈硬化による陰茎の血流障害と男性ホルモンの低下による性欲低下が主な原因となっております。ED動脈硬化の予防には高血圧・糖尿病・高脂血症などの生活習慣病の予防が大切です。
また男性ホルモンは加齢により低下しますが、個人差が非常に大きいようです。男性ホルモンの低下は性欲の低下・勃起能力の維持の低下につながります。また男性不妊の約20%も勃起障害が原因です。EDは身体に異常のない機能性疾患と問題のある器質性疾患とに分類されますが、機能性EDはその大半を占めており、心因性と精神病性に分類されます。また器質性EDは血管性・神経性・ホルモン性・陰茎性に分類されます。
ED問診表にて性欲・勃起・性交・射精・オーガズムの状況、パートナーの状況などを確認させていただきます。基本的には性器等の診察は行いません(まれに必要に応じて陰茎・精巣・前立腺などの診察を行います)。また、必要あればうつ状態・不安状態などのチェックとして心理テストも行います。また、男性ホルモンなどの検査が必要なこともあります。
検査はEDの診断のための検査とED治療薬の処方のための検査があります。バイアグラなどの処方のためには現在の内服剤のチェック(ニトロ製剤等)、心血管障害の有無『6ヶ月以内の心筋梗塞・低血圧90・50mmHg以下・著明な高血圧170・100mmHg以上・6ヶ月以内の脳梗塞・脳出血』、重症肝障害・網膜色素変性症(進行性の夜盲)の有無などの確認が必要です。
また、検査としては血圧測定・一般採血(肝機能・腎機能・糖尿など)で問題がなく、心電図上異常がなければED治療薬を処方可能と判断いたします。健康診断結果をお持ち頂けるとご参考にさせて頂きます。ただし、糖尿病・高血圧・高脂血症・狭心症心筋梗塞・脳梗塞脳出血などがあれば負荷心電図でのチェックが必要となることもあります。器質性疾患が無ければED治療薬を投与してEDの改善を見るテストを行うこともあります。
第一選択薬はバイアグラ、シルデナフィル、レビトラ、シアリスです。有効率は82~95%と報告されております。その副作用は本邦では約5%に出現しましたが、ほてり3%・頭痛1%・動悸0.4%などであり、重篤なものはありませんでした。
また、男性ホルモンの低下している方(男性更年期症候群:LOH)には男性ホルモン剤の筋肉注射を定期的に投与する『ホルモン補充療法』があります。
有効率は性欲の改善が約95%にみられるとともに勃起障害も約70%改善します。ED治療薬との併用も可能で併用すればより効果が高まります。ただしこの注射にあたり前立腺癌や肝機能検査などが必要となることがあります。男性ホルモンの低下例にはホルモン補充療法が第一選択となります。長期に治療しても副作用の見られる方はほとんどいません。男性ホルモンが正常な例ではED治療薬などを使用します。ただし、ED治療薬は現在のところ保険診療の適応が無く、すべて自費診療となっております。
※料金は一部を除き、税別表示となっております。
初診料3,000円 再診料0円(再診料はいただいておりません)
薬名 | 分量 | 金額 (税込) |
備考 | |
薬剤料 (一錠) |
バイアグラ | 50mg | 1,650円 | |
シルデナフィル | 50mg | 1,100円 | バイアグラのジェネリック医薬品 | |
レビトラ | 10mg | 1,650円 | ||
シアリス | 20mg | 2,530円 | バイアグラ100mg相当 |
※検査料(必要なとき・税込)
一般採血 5,500円、心電図 1,650円、負荷心電図 5,500円